退団のご挨拶 新美あかね
皆様こんにちは。
新美あかねです。
私から皆様へ、大切なお話があります。
拙い文章ではありますが、一読していただけると幸いです。
私事ではございますが、現在所属している、劇団 演劇らぼ・狼たちの教室を第八回公演『遣らずの雨』をもって退団することを決意いたしました。
驚かせて申し訳ありません。
劇団には立ち上げの2014年から約6年、お世話になりました。
ボス、あいにゃさん、ゆっきーな。
かけがいのない仲間だと思っています。
この劇団にいたことで出会えた人たちがたくさんいます。
スタッフさん、キャストさん、お客様。
沢山の素敵なご縁に恵まれました。
感謝してもしきれません。
皆様に出会えて、ここでお芝居ができて、幸せでした。
今まで、辛いことも沢山あったけれど、楽しいことも沢山ありました。
もし、劇団にはいってなかったら役者という道に進んでいなかったかもしれません。
私がこの道を真っ直ぐ進んでいこうと思えるのは狼たちの教室のお陰です。
今まで応援してくださって、ありがとうございます。
皆様の声援に、何回も励まされました。
今後もし新美あかねの名前を見かけたら、どうかそっと、見守っていただけたら幸いです。
そして今後も狼たちの教室の公演を楽しみにしていてください。
2020年2月
劇団 演劇らぼ・狼たちの教室 新美あかね
メンバーリーダー 藍川メリルより
この度、次回公演『遣らずの雨』をもちまして、新美あかねが狼たちの教室を退団することになりました。
新美との縁は、2014年、彼女が通っていた声優専門学校の卒業公演の演出をうちやまが担当し、私が演出助手を務めたところからです。
初めの頃の新美は、信じられないほど不器用で、衣装の加工を指示しても縫い目がしわしわになったワンピースを持ってきました。劇団に入ってからも、正直ヒヤヒヤすることがたくさん。でも、新美が持ち前の明るさとポジティブさで課題をどんどん乗り越えて成長していく姿や、損得抜きで自分のやりたいこと、好きな表現を徹底的に追求していく姿に、私も沢山のことを学ばせてもらったと思っています。本当にありがとう。
話は変わりますが、これまで劇団を離れていったメンバーは、残念ですが「入団当時にうちやまと掲げたプロの俳優としての目標と約束」を果たせずに辞めていきました。
なので、彼らには「退団(=卒業)」という花道を渡すことができませんでした。応援してくださった皆さまに、プラスの形でご報告することができなくて、本当に申し訳ございませんでした。
狼たちの教室は、設立当初から「劇団員はプロの自立した俳優として、演劇を中心としつつそれ以外のメディアでもプロに見合った実力をつけて活動していくこと」を基準にしており、プロ志望として入団してきた劇団員にも共有し、指導をしてきました。
なので私は自分の接し方が悪かったせいで、私の実力不足、指導力不足のせいで、メンバーを辞めさせてしまったんだと、自分を責めました。
ですが、プロの俳優を志す中で「私は飯が食えるプロになる気はなく、ただ好きな仲間と楽しく演劇をやっていたかったのだ」と気がついたり、「これ以上は頑張れないや」と考え方が変わったりということはよくあることで、それは誰が指導しようと本人の生き方の問題で、単に同じプロとしての基準で一緒に劇団活動をしていくことは難しいから道を違えるだけなのだ、と考えられるようになりました。
なので、今は自分を責めることはあまりありません。ただ、お客様に誠意ある形でご報告できなかったことは、本当に申し訳ないと思っています。
新美はその中で、唯一、退団するという意思とともに、師との約束を守り、事前に退団することを告知した上でお世話になったお客様にご挨拶する退団公演の機会が欲しい、と申し出てくれました。
あんなに不器用だった新美が、こんなに成長してくれて、退団という決断は寂しいけれど、とても嬉しかった。
なので、「劇団に甘えられる間に、自分の好きなことをゼロからやってみなよ。全力でサポートするから。」と、プロデュースの提案をしました。
自分の責任で公演を打てれば、劇団にいる間にこの大変さを経験していれば、劇団を離れても怖いものはないと思っています。
また、光栄なことに演出を任せてもらいました。オリジナルの書き下ろし長編作品の演出は私も初めてで、とてもワクワクしていますし、必死に勉強しているところです。
新美に最高の花道を用意するために、全力で頑張ります。
これまで新美のことを応援してくださったみなさま、本当にありがとうございます。是非、3月、劇場に足をお運びください。
また、退団後の新美の活動も暖かく見守っていただけましたら幸いです。よろしくお願いします。
2020年2月
劇団 演劇らぼ・狼たちの教室 藍川メリル